フタリソウサ

シナリオ「IF推理ゲームに行こう」内で使用する推理用テキスト

このテキストは、『フタリソウサ 追加ルール&シナリオブック もしもこの手が離れても』に掲載されている「シナリオ21 IF推理ゲームに行こう」のGMを行うときに確認してください。

「今回の事件を解決するにあたっては江川さんの持つ特殊な能力が極めて重要でした。 皆さんにマーダーミステリーの脚本を彼が渡す際、誕生日を聞いて『今回は相応しい方がいる』とおっしゃっていたのを覚えているでしょうか。 あれは単に誕生日が一致しているとかではなく、シナリオの設定どおり、生まれた日が新月の人がいる、という意味だったのです。 なぜそんなことがわかったのでしょうか。 それは、彼の計算能力が極めて高かったから。ただそれだけなのです。 生まれた年と日付がわかれば、あとは単なる計算で月の月齢は求められるのです。 さて、これを踏まえて、皆さんの誕生日を振り返ってみましょう。 川田さん、あなたは1997年10月31日でしたね? この日は計算すると新月です。 そういえばあなたは実際に新月の子を担当されていましたね。 中野さんは1997年の5月22日でしたよね、あなたは満月の子でしたか? 違いましたね。 そう、佐藤さん、あなたが満月の子を担当されていました。 では、江川さんにここで伝えた誕生日はいつでしたか。 1998年の6月24日でしたね。この日は……新月でした。 これはなぜですかね? 江川さんが間違えた? いや、そうではありませんでした。 佐藤さん、あなたの本当の誕生日、警察の方から聞いたのですが、1998年の3月13日だそうですね。 この日は満月です。彼は確かにあなたのことを満月の子に相応しいとして満月の子の脚本を渡したんですよ。 別にこれがあなたが犯人である証拠というつもりはありません、ですが、江川さんとあなたはもともと知り合いであったのではないですか? つまり、動機にはなる。 さて、証拠となるのはこのダイイングメッセージになるわけですが、これを解くヒントになったのは、彼が誕生日を見ただけですぐに月齢が計算できる、そんな人物であったこと、このことでした。 登場するp,q,c という3つの記号と彼の数学能力から「RSA暗号」を彼は使っているのではないか。私はそう推測しました。 この3つの記号で文章を区切ってみるとp=1b.d. q=4b.d. c=14464 と書かれていると考えられます。 ここでp とq に共通しているb.d. が表しているものはなんでしょうか。 そう、誕生日pqのあとに書かれたMB.D. という文字。B.D. と言った方が皆さんも思いつくのではないでしょうか。 そう、誕生日です。彼がここで知っていた誕生日のうち、M、すなわち男性二人の誕生日、そのまま数字としてみるといずれも素数になっていますね。 この二つを使って与えられているc を変換すればよいのですが……RSA暗号を解くには秘密鍵というものが必要になります。 これがわからないと解けないのですが……江川さんが解いてもらうためにこのダイイングメッセージを残していたのだとすれば、推測のつくものにヒントを残しているだろうと考えました。 この店の名前、フェルマット。これはかの数学者フェルマーから来ている言葉。 試しにフェルマー素数と呼ばれ、実際に非常によく使用されている65537を使用し変換をしてみたら与えられていた数字の223977と118629は6973と7773に変換されました。 これを一般的な文字コードでアルファベットに変換するとE、I、M、I、EIMIと変換されます。 つまり、犯人はあなたです。佐藤英美さん」


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